イベント

第二回 アドフラウド勉強会

開催日 2018年11月1日(木)18:30~20:40
場所 株式会社ディー・エヌ・エー イベントスペース
イベント内容 パネルディスカッション1
「広告配信事業社各社のアドフラウド対策を教えます」

パネルディスカッション2
「広告業界の知られざる裏側!」

はじめに

アドフラウドを撲滅するためのミートアップ

先日、「第二回 アドフラウド勉強会」に弊社nendの事業部長、二宮 幸司が登壇しました!

この勉強会は株式会社Phybbitの主催で国内プラットフォーム各社が登壇し、アドフラウドの基礎知識から最新情報までを幅広く紹介、議論することでアドフラウドの撲滅を目的として開催されています。

前半のパネルディスカッション1では「広告配信事業社各社のアドフラウド対策を教えます」というテーマのもと各プラットフォームにおける問題、それに対する対策、機能などが紹介されました。
そして、後半のパネルディスカッション2では「広告業界の知られざる裏側!」のテーマで現状のアドフラウドに対する認識や危険性、今後どうしていくべきかという議論が行われました。

広告に携わる皆さんにとって、アドフラウドは避けて通れないトピックかと思います。このレポートでは弊社二宮が登壇したパネルディスカッション2「広告業界の知られざる裏側!」の内容をたっぷりご紹介していきます!

広告業界の知られざる裏側!

アドネットワーク、SSP、広告主それぞれの立場から見るアドフラウド

パネルディスカッション2では、以下の方々が登壇されました。

  • モデレーター:山田 翔 (株式会社アドウェイズ/Bulbit株式会社)
  • パネラー:池田 寛 (Supership株式会社)
  • パネラー:佐藤 基(MOTTO, inc.)
  • パネラー:二宮 幸司(株式会社ファンコミュニケーションズ) ※敬称略

数あるアドフラウドの中でも「成果を偽る不正」が議題としてフォーカスされ、パネラーの3名がそれぞれアドネットワーク、SSP、広告主という異なる立場から考察していくという、とても聞きごたえのあるディスカッションでした。

そもそも「成果の良い広告とは何か」という問いにnend二宮が「CPI、ROASが良い広告のこと(広告出稿しているときの利益>広告出稿していないときの利益)」、Supership池田様は「収益性が高い広告のこと」、MOTTO佐藤様は「CPAが安い広告のこと」と答え、三者三様の回答から始まっていきました。

ビュースルーコンバージョンをどう評価するべきか

通常のアプリ訴求の広告の場合、ユーザーが広告をクリックしてアプリをインストールすれば1コンバージョンとなります。ユーザーが接触した広告の中でも、最後にクリックした広告を評価するコンバージョンを「クリックスルーコンバージョン」といいます。では、皆さんは「ビュースルーコンバージョン」という言葉をご存じでしょうか。
ビュースルーコンバージョンとは、広告が表示されて一定の秒数が経過していればクリックがなくてもその広告を評価するというものです。

こちらのビュースルーコンバージョンについて話された内容を少しご紹介しますね!

株式会社アドウェイズ/Bulbit株式会社 山田様(以下、山田): ビュースルーコンバージョンについては、皆さんどういう風に捉えていましたか。

株式会社ファンコミュニケーションズ 二宮(以下、二宮):2秒、(画面に広告が)50%表示というのはIAB(※1)が定義したビューアブルインプレッションの定義だと思います。ここでいう2秒というのはビューアブル(広告視認)の定義で、2秒みたらコンバージョンに結びつけるという理論は少し強引な気がしています。

 

※1 IAB
Interactive Advertising Bureauの略。アメリカのオンライン広告の業界団体で、業界の動向調査や法整備などを行う。欧米を中心に数多くの企業が加入している。

 

Supership株式会社 池田様(以下、池田):パブリッシャーサイドだと広告収益が高いというのは、あくまでCPC、CPMの単価が高いという感覚でしかなかったです。その裏側の仕掛けまでは本来は意識する必要がないと考えていました。

MOTTO, inc. 佐藤様(以下、佐藤):2年ぐらい前に動画広告が盛り上がってきた時にクライアントとして期待していました。よく言われていたのは静止画と比べるとクリックレートが低くなる、CPAが高くなるケースが多かったです。ただ間接効果への期待があった時期で、その時出てきたのがビュースルーコンバージョンでした。

山田:動画自体に意味はあり、評価されるべきだと思いますが、今の状況はそんなに簡単ではないですよね。動画を見た時にストアに飛んでインストールした場合と、動画を5秒10秒見て、後でインストールしたものが同様に評価され、その結果動画広告が評価されている様に思えます。
クライアント目線では異なる視点で評価している事はありますか。

佐藤:この問題がまさに起きています。ラストクリックで評価するというのがありましたが、ここに新しい評価方法が加わった事で評価が変わってしまいました。
特に、今回のテーマであるアプリは比較的コンバージョンが多い商材で、オーガニックのコンバージョンも多いです。評価方法が定まっていないと結局それは本当に効果なのかという話が出てきており、クライアントの中でも一般化しています。

二宮:弊社は動画をはじめたばっかりということもあり、クリックで評価するケースがもっとも多いのですが、クリックからのコンバージョンの成果とビューからのコンバージョンの成果が、一枚のexcelシートで比較されている現状はかなりきついです。CVRがそもそも30〜40%の媒体と同じ単価、同じ表、同列で比べられ予算が割り当てられるとなかなか難しいと感じています。

山田:僕も同じ様な感覚で、それぞれ広告効果はありますが全く違うインパクトを持っていると思います。例えば広告表示・クリック・コンバージョンの関係値でいうと広告表示からクリックされるのが0.1%、そこから良くて10%がコンバージョンになる。
配信量でいうと1000倍、その後10倍違うという世界にも関わらず、同じ様に評価してしまうと広告効果を正しく理解できないのではないかと感じています。

クリックの基準も曖昧に?!

山田:弊社「UNICORN」では、実際ユーザーがストアに飛んだものをクリックとしてカウントしています。他のネットワークでは動画を10秒見たらクリックとしてカウントするものや、5秒でカウントするものも増えてきていて、クリックという指標が持つ意味が多様化し、複数ネットワークを横並びで比較することができなくなってきています。
皆さんはどれくらい認識されているでしょうか、クライアントからみたらどう見えているのでしょうか。

佐藤:非常に分かりにくいと思います。ビュースルーコンバージョンとラストクリックのコンバージョンを一緒くたにするべきではないということは徐々に広まっています。CTR、CVR、CPIを見れば明らかですが、それが10秒か5秒かでカウントされているかというのは把握がしにくいです。
クライアントとすればより安くより多くとなります。特にペイドプロモーションを担当している方は少しでも広告の効果を上げたいという力学が働いてしまい、目が曇ってしまいがちですが理解を広げていかないと危ないと思っています。

山田:そうですね。手前の指標をみてどういうコンバージョンなのか性質を見極めることが重要ではないかと考えています。そして「広告配信に関わる人たちの意識をどのようにして統一するか」が今日のメインテーマとなりますがどう思いますか。

二宮:まず事業者が認識を合わせていかないと何も始まらないと思います。ビュースルーコンバージョンが悪いということではなく、ルールを作るべきかなと。
今年は、一部において動画の計測ハックにより、本質的な広告の価値や実体経済とかけ離れたところで単価が上がり、バブル状態であることは間違いないです。いつかは、バブルが弾けるタイミングがくると思っていますが、それにより一番被害を受けるのは広告主とメディアです。
「広告主がOKだから」とか「メディアがOKだからやっていいでしょ」 ということをよく言う会社もいますが、インターネット広告業界はもうそういうステージのものではないと感じています。

佐藤:どこからお金が出ているかというとクライアントから出ているため、クライアントの責任は非常に重く、効果に真摯に向き合うべきだと思います。自分の評価で判断するのではなく、全体効果の視点からの判断が必要で、アドフラウドリテラシーをあげていく責任があります。

池田:我々のようなSSP事業者やパブリッシャー側も、儲かる広告ならウェルカムという姿勢から一歩進むべきだと考えています。全く同じ広告枠でもアドネットワーク事業者によって収益が全然違うということに違和感を抱くほうが自然です。そうしないと、計画値の策定時など、急に収益が下がったりするリスクを背負うことになります。そういうリスクを回避するためにも、プラットフォーム側としては、例えば視聴深度を測れる規格(VAST(※2)やVPAID(※3))に対応するなど、正しい指標やルール作りに対応できる環境を整えることが大切だと思っています。

 

※2 VAST
Video Ad Serving Templateの略。IABが定めた動画広告の標準規格で、動画広告ファイルのURLや遷移URL、再生数やクリック数のようなデータの送信などについての仕様が決められている。

※3 VPAID
Video Player-Ad Interface Definitionの略。こちらもIABによって定められた動画広告の規格で、様々な機能の追加や測定が可能なのでVASTよりも詳細で複雑な表現ができる。

 

山田:動画を10秒5秒見ただけでクリックと同じにしている事が良くないかなと。指標をハックして成果に繋げるのではなく、本質的な広告効果を高めて獲得効率を上げたり、異なる指標を取り入れるのであれば別のものとして評価すべきだと考えています。

 

以上、アドネットワーク、SSP、広告主3社によるディスカッションでした。
それぞれ異なる立場ではあるものの、アドフラウドに対する危機感や業界をクリーンにしたいという想いは共通していますね。もっともっとそういった意識が広まっていくといいなと感じました。

 

※セミナーの内容は、Phybbit様のブログより抜粋させていただいています。
内容の詳細は、こちらよりご覧ください。https://spideraf.com/blog/adfraud_studying2/

まとめ

今回のイベントは、月初の開催にも関わらずたくさんの方が参加しており、質疑応答の時間には多くの質問があがるなど、アドフラウドに対する注目度がうかがえるようなイベントでした。またプラットフォーム各社が対策を強化しながら業界全体でアドフラウドを撲滅しようとしている中で、広告に携わる全員が常に最新の情報を集め、この問題に真摯に向き合うことが必要だと改めて感じました。

今回話にあがったビュースルーコンバージョンについて、nendでは管理画面での計測が可能です。何秒以上の視聴をビュースルーコンバージョンとしてカウントするのか、広告主様の指標に合わせて設定ができます。広告主様はより正確な計測による広告運用が可能となり、メディア様へ正しい数値によって発生した広告報酬をお返しすることにもつながります。

nendは、動画広告を開始して1年ですが急激に成長しています。その中で、本来の広告価値を最大化するための最適なビュースルーコンバージョンの設定はどんなものがあるのか、フォーマットやメディアにより最適な設定があるのか、そういった面もサービス全体で検証し皆様に随時お伝えしていければと思います。
また、アドフラウド問題には以前からnendとして取り組んでおりますが、広告主様、メディア様に安心してご利用いただくだめにも、今後より一層厳しく取り締まり、業界全体に貢献できるように努めてまいります。

今後もnendが参加するイベントレポートをどんどん発信していきますので、お楽しみに!

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