もうチェックした?SKAdNetwork4.0の押さえておくべき4つの変更点
今回は、SKAdNetwork4.0の仕様についてわかりやすくご紹介します。
SKAdNetwork4.0とはどういったものなのか、どんなことができるようになったのか、一つ前の仕様の3.0とどう違うのか、一気に整理していきましょう。
目次
SKAN4.0とは
AppleはSKAdNetwork(以降、SKAN)のアップデートを進めており、今年の10月、SKAN4.0をリリースしました。
6月に行われたWWDC22(Appleの世界開発者会議、2022年6月)でも概要が発表されていましたので、ご存じの方も多いかもしれません。
プロモーションを行う上で、重要な変更点がたくさんありますので、しっかり理解して活用していきましょう。
これまでとの変更点は?
大きく変わったポイントは以下の4つです。
①階層型ソースID
②限定的なコンバージョンバリュー
③複数のポストバック
④Web広告向けのSKAN計測 (SKAdNetwork for Web Ads)
参考:https://developer.apple.com/documentation/storekit/skadnetwork
ではひとつずつ、ご説明していきます。
①階層型ソースID
まずは、ソースIDについてです。
これまでは、キャンペーンIDと呼ばれており、どのキャンペーンからCVが発生したのかなどの情報を2桁の数字 (1~100) で識別できる仕様でした。
SKAN4.0では4桁までの数字が使用可能となり、より多くの情報をポストバックできるようになりました。
つまり、これまでは1~100までしかID付与できなかったのが、0000~9999までのID付与が可能となったのです。
ただし注意点として、Appleが判断するプライバシー保護のレベルによって、4桁か3桁、もしくは2桁のみ開示されることになります。
これまではプライバシーに関して、プライバシー閾値(privacy threshold)の存在は明らかとなっていたものの、詳細は不明でした。今回、ユーザー群の匿名性(crowd anonymity)という概念が明らかとなり、0、1、2、3の4レベルで判断されることが示されました。CVごとに匿名性がどのレベルにあたるか判断され、そのレベルによって、コンバージョンバリューやソースIDがどのようにポストバックされるかが決まります。
旧キャンペーンIDと同様に、今回のソースIDも各ネットワークごとに使い方が委ねられています。上手に活用することで、これまで識別が難しかったクリエイティブ単位のCV計測やキャンペーン分析の幅が広がると想定されます。
②限定的なコンバージョンバリュー
次にコンバージョンバリューについてです。これまでは0~63までのコンバージョンバリューが受け取れるという仕様でしたね。
SKAN4.0では、前述のコンバージョンバリューと合わせて、粗い粒度のコースコンバージョンバリュー(coarse-conversion-value:coarseは粗いという意味)が新しく導入されました。これは、低・中・高の3つの値のみで表現され、コースコンバージョンバリューを受け取る場合には、このうちのどれかひとつがポストバックの中に含まれます。
コンバージョンバリューとコースコンバージョンバリューの両方を一度に受け取ることはできません。
これまでプライバシー閾値の関係でコンバージョンバリューがポストバックされなかったケースでも、コースコンバージョンバリューが追加されたことで、広告効果の分析をより進めることができるかもしれません。
③複数のポストバック
ポストバックの回数はこれまで1回だけでしたが、SKAN4.0では最大3回となりました。インストール起動から0~2日間の計測を1回目で、3~7日間の計測を2回目、8~35日間の計測を3回目でポストバックします。
ポストバックの受信にはタイムラグがあり、インストール起動から4〜5日目、9〜10日目、37〜38日目でそれぞれポストバックを受信することが可能となりました。
ただし、ロックウィンドウ(※)を設定する場合にはそれよりもポストバックを早めることが可能です。
それぞれのポストバックでどんなコンバージョンバリューを受け取るかは、回数とプライバシー保護のレベルによって変わってきます。
※ ロックウィンドウ
コンバージョンウィンドウを短縮できる設定。
設定したタイミングでコンバージョンバリューの更新が止まり、ポストバックの準備が開始される。
タイムラグはポストバック回数に応じた時間で同様に発生する。


④Web広告向けのSKAN計測(SKAdNetwork for Web Ads)
最後はWeb広告向けのSKAN計測についてです。
これまで、SKANで広告効果が計測できるのはAppの配信面のみでした。そのため、SKAN計測を主軸とする広告主は、Appへの配信のみに制限されることになり、このことがSKAN導入の高いハードルのひとつになっていました。
SKAN4.0では、Webの配信面でも広告効果が計測できるようになり、そうした課題が解決されることとなりました。
日本ではまだまだWeb配信の重要性は高いので、SKANでWebにも配信できるというのは嬉しいことですよね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はSKAN4.0の変更点についてまとめてみました。重要なポイントは大きく4つ。
①階層的なソースID
②限定的なコンバージョンバリュー
③複数のポストバック
④Web広告向けのSKAN計測 (SKAdNetwork for Web Ads)
この機会にしっかり理解を深めましょう。
これまでよりも多くのデータが得られることで、インストール後のユーザー分析や広告効果の最適化が、今後一層加速されると見込まれます。
しかし、プライバシー保護のための制限などもありますので、数字を見ながら設定の調整を行う必要はこれまで同様にありそうです。
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