導入事例

2023/01/30

『FXなび』グリーンモンスターのSKAdNetwork活用!ROAS運用のためのコンバージョンバリューの設定方法とは?

株式会社グリーンモンスター マーケティング部 リーダー
小西 虹弥
『FXなび』のマーケティング戦略立案、プロモーション運用ならびにクリエイティブ制作を担当。
好きな食べ物:焼肉
株式会社ファンコミュニケーションズ ADプラットフォーム事業部 営業推進部 部長
牛窪 道久
営業一筋。趣味は営業。広告主様、メディア様、広告業界に熱い思いを持つ。
好きな食べ物:カンジャンケジャン

今回は、ゲーム感覚でFXが学べる『FXなび』を運営するグリーンモンスター様にインタビューさせていただきました。
SKAdNetworkを早くから導入し、ROAS運用をしながらコンバージョンバリューもしっかり活用されているとのことで、それまでの経緯や活用方法について伺いましたので、ぜひ参考にしてみてください!

自社のノウハウを活かしたコンテンツとプロモーション

牛窪:今日はよろしくお願いします!まず『FXなび』について教えていただけますか?

『FXなび』のアプリ紹介をするグリンモンスター社小西氏

小西:『FXなび』は、ゲーム感覚のデモトレードを通してFXを学ぶことができるアプリです。マンガやコラムなどのコンテンツを通して、「FXってなんだろう」という基礎的な知識から「どんなリスクがあるのか」「実際始めるにはどうしたら良いのか」という実践的なことまでアプリ内に掲載しています。

牛窪:マンガやコラム、用語辞典などコンテンツがすごく充実してますよね。

小西:ありがとうございます。社員の多くが実際にトレードをしており、そうした知識、経験もコンテンツに活かしています。

牛窪:ユーザーさんからのお声はいかがですか?

小西:『FXなび』は広告クリエイティブでも「ゲームで簡単にFXが学べる」というような訴求をしているように、初心者のユーザーさんが多く、「画面が見やすい」「操作方法がわかりやすい」といったお声を頂いています。

FXなび紹介画像

牛窪:なるほど。『FXなび』はFXの基礎知識をしっかり身につけた上で、実際のFX取引を始められるようにサポートしていますよね。
アプリからFX会社様の口座開設のページへも遷移できるようになっています。つまり、ビジネスモデルとしては、この口座開設への送客による報酬を利益とする形ですよね。

小西:その通りです。ランキングページなどに設置している「口座開設」のボタン押下が『FXなび』アプリ内の最終的な目標到達地点で、収益イベントにつながります。そこからFX会社様に送客し、条件を満たした場合に成果報酬を頂くという形です。

牛窪:プロモーションにおいては、どのような方針で行っていますか。

小西:デジタルプロモーションの運用とクリエイティブ制作がほとんどインハウス化されている点が弊社の特徴といえます。
配信先は多岐にわたるため、ユーザー属性やコンテンツを意識しつつ、ユーザーさんにとって最適なクリエイティブをカスタマイズして配信しています。

牛窪:トレンドを押さえたクリエイティブはいつも素敵ですよね。実際に、広告計測や運用についてはどのようにしていますか?

小西:ATT対応(※1)が必須となった段階で、大手SNSではMMPを併用しながらSKAdNetwork(以降、SKAN)を導入していました。現在ではアプリ面の広告配信は基本的にSKANで、サブとしてMMP計測を活用しています。web面やそれ以外の記事系広告、コネクテッドTVなどはMMPで計測をしています。

※1 ATT対応
iOS/iPadOS/tvOS端末においてユーザーをトラッキングしたり、広告識別子を使用するために参照したりする許可を、ユーザーにリクエストするフレームワーク対応のこと。2021年4月にこの対応が必須となった。

SKAdNetworkを活用したROAS運用を実現

牛窪:では、具体的にどのような指標を追って広告配信しているのですか?

広告指標について語るグリンモンスター社小西氏

小西:KPIとしては、インストール数、CPI、ROASが最重要項目となっています。
SKANでもようやく収益イベントが追えるようになってきたので、ROASもSKANを活用しつつ、MMPのデータで補完しながら見ていますね。
SKANでのROASの算出方法は、推定ROAS=SKAN上のCV数×収益イベントへの転換率×平均収益額で算出しています。SKAN開始当初に、MMP計測のROASや転換率、オーガニックユーザーの転換率などのデータと照らし合わせて、SKAN計測のデータが適正な数値かどうかをチェックしました。

推定ROASの算出式

牛窪:SKAN計測の数値が信頼できるものかどうか、早い段階で検証していったのですね。これはnendとしても賛成で、MMPのデータと比較できるうちにSKANの導入、検証をオススメします!
SKANはアップデートも多いですが、情報収集や社内でのナレッジ共有はどのように行っていますか?

小西:インハウスでプロモーションを行っているので、代理店さんからの情報がなかなか得にくいところがあります。そのため、外部のセミナーを受けたり、各事業者さんから情報収集したり、新しいトピックについては内容や今後予想されることなどを各自調べて、チャットグループで社内に共有したりしています。

牛窪:なるほど。コンバージョンバリューの設定の際など、nendとも密にやり取りを行いましたよね。

ユーザーの動きを意識しながらコンバージョンバリューを何度も調整

牛窪:『FXなび』におけるコンバージョンバリューの活用についてもお聞きしたいのですが、設定はどのように行っていますか?

小西:1ビット目~6ビット目(※2)まですべて使用して、アプリ内のイベントなどを設定しています。
nendさんにアドバイスをいただきながら、調整を繰り返して、現在の設定にたどり着きました。
当初、収益イベントより前にあるイベントを順々にコンバージョンバリューに設定したところ、件数が全く同じものが出てきました。その時、nendさんにはこの設定だともったいないとご指摘をいただき、よりハードルが高く、目標地点に近いイベントを設定に入れた方が良いのではとご提案いただきました。

※2 ビット
ビット(bit)とは2進数(1桁に入る数字は0か1のみ)の1桁のこと。コンバージョンバリューは、6桁の2進数で設定が可能。

牛窪:そうでしたね。コンバージョンバリューの設定は、カスタマージャーニーを意識しながら、イベント発生のハードルが徐々に上がっていくような設定が理想です。

小西:はい、コンバージョンバリューは1~6ビットまでしか使えないので、発生難易度の異なるイベントを設定するのがベストだと気づきました。
そこで、収益イベントに繋がりやすいユーザーさんの行動傾向を改めて分析し、キーとなるイベントを洗い出し、CVに設定し直しました。
また、SKANにはタイマーがあるので、その対策も行いました。タイマーを切らさずに計測し続けられるよう、発生回数が多く、ユーザーさんが連続的に行うイベントも設定しました。

SKAdNetworkのコンバージョンバリュー設定時のイベント設定のポイント
SKAdNetworkのコンバージョンバリュー設定時のポイント

小西:また、メインとして想定していたユーザー動線以外のところにもユーザーの動きが一定数あったというのも、nendさんにご指摘いただいて分かったことです。色々な動線がデータとして見えてきたことで、イベント設定を見直しました。

牛窪:想定外の数字でしたが、コンバージョンバリューをより改善できましたよね。

小西:はい、コンバージョンバリューに一つずつのイベントしか設定していませんでしたが、あらゆるユーザー動線をカバーできるように、複数のイベントをまとめて設定しました。そうすることで、もれなく計測できる形となりました。

牛窪:コンバージョンバリューの設定が無駄のない効率的なものになっていきましたよね!やはりコンバージョンバリューの設定はSKAN活用の上で非常に重要で、今回のように数値を見ながらの設定、調整が必要ですね。
一方で、予算調整の部分はSKANの特徴を考慮して、デイリー単位での細かい変更から、週単位での変更へのシフトチェンジをご提案させていただきましたね。

小西:そうですね。SKANの場合はポストバックに時間がかかるので、デイリーで予算変更してしまうと効果を反映した最適化が難しいとのことで判断しました。

牛窪:ポストバックのタイムラグはSKANのデメリットと言えますが、そうしたデメリットを踏まえて、柔軟に対応していただきましたよね。
では、nendでSKAN配信をしてみて、いかがでしたか?

小西:SKANに切り替えてから、10%ほどCPIが改善し、配信量もスケールしていただいている印象です。
SKANのダッシュボードでイベント数をよく見て頂いてるので、コンバージョンバリューのイベント選定や設定の順番などのご提案もいただき助かりました。

牛窪:ありがとうございます。SKANでは、すべてのネットワークで計測定義が統一となるので本来の広告効果が発揮できるというのが大きいです。また、nendではSKAN活用の事例が増えてきているので、そうしたノウハウを活かすことができたと思います。長くSKANを活用していって、どんな変化が出てくるのかなどもこれから一緒に見ていきながら、都度最適なご提案をしていきたいと思っています。

小西:ありがとうございます!

ユーザーベネフィットを大切にしたアプリづくりをしていきたい

牛窪:では今後、SKAN関連を含めた市場の動向はどうなっていくと思われますか?

小西:今後プライバシーに関する機能については、OS問わず日々アップデートされていくと考えています。精度の高いトラッキングができなくなることで、広告効果が明瞭にわかりにくくなるかとは思いますが、SKANでのアップデートもキャッチアップしつつ、マーケティング効果を最大化できればと思います。

牛窪:僕たちも、日々最新情報を入手し、機能やサポートの面でさらにお役立ちできればと思います。
最後に『FXなび』の今後についてお聞かせいただけますか?

今後のアプリ運営について語るグリンモンスター社小西氏

小西:SKAN関連でいえば、ATTポップアップの表示タイミングと内容を工夫することで、許諾率を少しでも上げられるよう対応していきたいと考えています。これに関しては配信先メディアでも許諾が必要なため、弊社だけで完結する部分ではないですが…
マーケティング面では、SKANで収益イベントが計測できるようになったとはいえ、データ欠損分があることを考慮して、プロモーションCPIだけでなく、オーガニックの全体CPIも見ながら、全体最適を図っていければと思っています。
また、ユーザーさんが使ってくれて初めてアプリは成り立つので、ユーザーさんにとって少しでもベネフィットがあるようなコンテンツやキャンペーン、クリエイティブ制作を今後も積極的に進めていきたいと考えています。

牛窪:素敵ですね!今後の『FXなび』もとても楽しみにしています!
本日はありがとうございました。

今回取材したお客さま

グリーンモンスター株式会社

2013年設立。『FXなび』『トウシカ』『株たす』『暗号資産なび』など、FXや株式投資などを初心者でも体験型で学習できるマネー教育プロダクトを中心にアプリの開発・運営を行う。
FXを基礎から学習できるデモトレードアプリ『FXなび』の累計インストール数は400万を超える。

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